「ご考察」とは?
ビジネスにおけるメールや会話での使い方や敬語の使い方を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「ご考察」とは?
この言いまわしの「考察」は「物事を明らかにするためにいろいろとよく調べて、得られた事実をよく考えること」の意です。
語源で見ると、「考」は「考える、思いめぐらす」、「察」は「明らか、明らかにする、詳しく調べる」という意味を持つ漢字の組み合わせです。
語源から整理すると「詳しく調べて明らかになった事実を客観的な視点でとらえて十分に考えること」を言います。
そのために具体的に行なうことは「仮説」を立てて文献を調べ、調査・実験を行ない、その結果をもとに分析や検討を行なって論理的な結論を導き出します。
この工程の最後にあたる、結果を分析して考えを巡らすことが「考察する」になります。
なお、考察する際は主観が入らないように注意が必要です。
「考察」はあくまで客観的に考えを纏める必要があります。
また結果をそのまま書くのではなく、結果を分析したり自分で考えて分かったことを書きます。
また結論に至った過程を提示し、論理的に述べることが求められますので自分の思いや考えだけを述べたのでは考察とは言えません。
この「考察」に丁寧の意を表わす接頭辞の「ご」を付加したのが「ご考察」です。
「ご考察」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この言いまわしの「考察」は学生においては理系学生の論文やレポートでよく使用されますが、ビジネスの場面でもプレゼンテーションやビジネスメールなどでよく用いられています。
会話や電話でも「ご考察」を使った依頼や質問フレーズを使いますが、一般的にシンプルでややカジュアルな敬語での使用が主要です。
たとえば、「ご考察いただけますか」「ご考察ください」といった感じです。
「ご考察」の正しい敬語表現
「ご考察」は敬語を表わす接頭辞の「ご」が付加された敬語表現です。
ただし、敬語レベルとしては低いため、さらに丁寧な表現にするためにはこの語句を含む文章を丁寧な表現にする必要があります。
例えば、「~をお願いいたします」「~いただけますと幸甚に存じます」「~賜りますと幸いです」といったフレーズにすれば敬語として目上の人に対しても問題なく使えます。
「ご考察」を使った例文
このフレーズを使った例文をご紹介します。
・『当方の事情もご考察いただければ幸甚に存じます』
・『ご考察いただきありがとうございます』
「ご考察」の類語や言い替え
このフレーズに類似した言葉や言い替えの一例を紹介します。
・『ご考慮』
・『ご見解』
・『ご勘案』
「考慮」は「いろいろなことを含めてよく考えること」の意、「見解」は「物事に対する考え方や価値観のこと」の意、『勘案』は「あれこれと考え合わせること」の意です。
まとめ
「考察」はプレゼン発表やレポート提出においてよく使用される言葉です。
ただ大事なのはこの言葉そのものの使い方ではなく、説得力のある説明ができる考察力を身につけることです。