この記事では、「無意味」と「無価値」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「無意味」と「無価値」の違い
「無意味」とは、意味のないこと、価値のないことです。
「無価値」とは、価値がないことです。
どちらの言葉にも、~がない、存在しないという意味を持つ漢字である「無」が使用されています。
そして、どちらの言葉にも存在しないという意味が含まれています。
しかし、2つの言葉が意味するものは若干違います。
「無意味」が意味するないものとは、意味、価値です。
行うだけの理由がなく、ばかげているというニュアンスを含んでいます。
「意味」とは、ある表現や行為に隠されている内容、重要性を指しています。
「価値」は、どれくらい役に立つかという度合、またある商品と交換することができる商品の価値のことです。
「無価値」が意味するないものとは、価値です。
役に立つものではないというニュアンスを含んでいます。
「無意味」と「無価値」の使い方の違い
意味がない、価値がないことについて「無意味」を使用します。
ばかげている意味合いです。
価値がないことについて「無価値」を使用します。
役立たない、値打ちがない意味合いです。
「無意味」と「無価値」の英語表記の違い
「無意味」は英語で、意味がないという意味では“meaningless”と表現をし、ばかげたという意味では“senseless”と表現をします。
「無価値」は英語で“worthlessness”と表現をします。
「無意味」の意味
「無意味」とは、意味がないこと、価値がないことです。
「無」は打消しの意味があります。
「意味」とは、ある表現や行為に隠された内容、重要性のことです。
たとえば、ある人が別の人に対して、普通とは少し違った目線を送ったとします。
この目線を送った人は、「あなたに好意があります」ということを目線に込めていました。
口ではっきりと好意があると伝えているのではなく、目線に含み隠されたものです。
こういったものが「意味」になります。
「無」は打消しの意味なので、含み隠されているものがないことを指しています。
また、「意味」は重要性のことも指しており、たとえば、一等をとらなくてもいいから運動会に参加することが重要だとしたら、それは運動会に参加することに「意味」があるといえます。
一等をとることができないなら、運動会に参加することは重要でないとするなら、運動会に参加することは「意味」がない、つまり「無意味」といえます。
何に意味を感じるかは、人それぞれ違います。
たとえば、子どもが壁に落書きをしていたとします。
子どもにとっては楽しいことで、壁に落書きをすることは意味のある行為かもしれません。
しかし、親にとっては掃除をする手間が増えるだけで、意味のないことに感じることでしょう。
何がその人にとって意味のあることなのか、意味がないこと、つまり「無意味」なのか違います。
「無意味」の使い方
意味がないこと、価値がないことを指して使用をします。
ばかげているという意味合いのある言葉です。
「ばかげる」には、くだらないという意味があります。
たとえば、特に目的もなく、重要ではない話をしていたとします。
重要ではないので、この話は「無意味」といえます。
「無意味」な話をしていた時間、掃除をする、仕事をするなど、役立つことができたかもしれません。
役にも立たないことをしていたのは、くだらないといえそうです。
「無意味」を使った例文
・『無意味なおしゃべりはやめなさい』
・『無意味だとわかっていてもやめられない』
・『ニキビに化粧水を塗っても無意味だと思うけど、いちおう塗っておく』
・『人と比べることは無意味だ』
「無意味」の類語
「論外」「ナンセンス」が類語です。
「論外」には、論じる価値がないという意味があります。
「ナンセンス」は、意味がないことを表します。
「無意味」の対義語
「有意味」が対義語です。
意味があることを表します。
「無価値」の意味
「無価値」とは、価値がないことです。
「無」は打消しを表します。
「価値」とは、どれくらい役立つのかというていど、ある商品と交換できるようなものの価値のことです。
高級な料理を出す飲食店で食事をすることにステータスを感じている人がいたとします。
その飲食店ではデリバリーを行っており、自宅で同じものを食べることができます。
しかし、この人にとっては同じものを自宅で食べることに価値はありません。
なぜなら、飲食店に行く、そこで食べるということがその人にとってのステータスであり、自宅で食べるのはステータスにはならないからです。
飲食店に行けば、ウエイトレスに接待をしてもらえるかもしれません。
店に向かう途中で知り合いに出会い、高級な飲食店で食事をすることを見せつけられるかもしれません。
また、飲食店の雰囲気から自分は特別なのだということを感じられることもあります。
しかし、自宅ではこういったものがありません。
その人にとっては、同じ料理でも自宅で食べることは、役に立たないことなのです。
役に立たないので「無価値」といえます。
「価値」には、商品と交換できるあるものの価値という意味もあります。
たとえば、骨董品の中には価値があるものがあり、手に入れようとすると高額な費用が必要です。
しかし、価値があるとされている骨董品でも、花瓶のようなものだと落とせば割れて粉々になり、価値はなくなります。
傷がない骨董品なら価値があるものといえそうですが、粉々になったものは「無価値」といえそうです。
「無価値」の使い方
役に立たないものについて使用をします。
何が役立つのか、何が役立たないのか、人によって異なり、また場面によっても異なります。
「無価値」を使った例文
・『無価値だとわかっている』
・『無価値だというな』
・『無価値だと感じる』
・『あるものが無価値だからと捨てる』
「無価値」の類語
「価値」は役立たないことなので、「役に立たない」が類語になります。
「無価値」の対義語
「価値ある」が対義語です。
まとめ
どちらの言葉にも~ないという意味が含まれていますが、何がないのかという点で意味がことなります。